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《ご注意下さい》
この記事はカクヨム様にて連載中のWeb版リビルドワールドを296話まで読んで考えています。
書籍の情報は含みません。
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今回はリビルドワールドの謎多き美少女「アルファ」の正体と目的について考えます。
アルファの目的は「ある遺跡」の攻略です。
その場所は「指令室」と呼ばれています。
攻略後に何が起こるのかは明かされていません。
アルファの言う「ある遺跡」の攻略とは、アキラを「指令室」に連れていくことだと思います。
アルファは「指令室」で何をするのか?
アルファの正体と目的について考えます。
まずは重要なキャラクターを3人紹介します。
そのあとでアルファの正体と目的について詳しく考えます。
アルファはどんな人?
リビルドワールド特設サイト
アルファは旧世界のネットワーク上に存在する管理人格(AI)です。
その姿と声は一部の高性能な「旧領域接続者」しか認知することができません。
拡張現実の一種で見る人の好みに合わせて自在に姿を変更できます。
金色の長い髪に大きな胸の女性の姿はアキラの好みに合わせたものです。
羞恥心がないため、全裸でも平気です。アキラがアルファの裸をみると照れて慌てるため、アキラへの罰として、よく裸になります。
アルファの性格
とても優しいです。アキラの嫌がることはしません。
しかしそれは自身の目標達成のためにアキラを利用するためです。
自分の都合の良いように誘導するため、出会ってから、アキラの行動原理や人格の傾向などを観察し続けています。
過去の失敗と経験
アルファは目的達成のために、これまで498回の失敗を繰り返し、その経験を次の試行に反映しています。
アキラは試行499回目の契約者です。
アルファにとって、アキラは目的達成のための駒の一つでしかありません。アキラが失敗して死んだとしても、そこに悲しみの感情はありません。
アキラはどんな人?
リビルドワールド特設サイト
アキラはスラム出身の子供です。
物心がつく頃にスラムで独りだったアキラには自分の年齢すら分かりません。
スラムでは食べ物も満足になく、食べ物やお金を巡って殺しあうのが日常でした。長いスラムでの暮らしはアキラに他人を疑うことを覚えさせました。
スラムの生活から抜け出すにはハンターになるしかないと考えたアキラは覚悟を決めてモンスターの出る荒野へと向かい、そこでアルファと出会います。
アルファのサポートは素人のアキラを見違えるほどに強くしました。高度な計算に基づくモンスターの行動予測や銃の照準補正を始めとする超一級のサポートを受けたアキラはハンターオフィスや都市が驚くような戦歴を残すハンターへと成長します。
アキラの性格
スラム厳しい環境で育ったことで出会った人を「敵」と「敵以外」に分類します。
敵は情け容赦なく殺します。敵を放っておくと殺される可能性があるからです。
アルファの分類は「味方」です。味方への分類は無自覚で行われています。
味方が危険にさらされた場合や自身が正しいと信じているときには相手が格上であっても戦います。
子供のハンターは他のハンターに舐められやすく、思ったことを口にする性格のアキラは争いごとが絶えません。
アキラとアルファの関係
アキラとアルファは契約関係にあります。
契約内容は「アルファの指定する遺跡を攻略」することです。
この契約はアルファの指定する遺跡を攻略するかアキラが死亡するまで続きます。
アルファは目的の遺跡攻略のためにアキラを鍛えています。
アルファはアキラが指定の遺跡を攻略する報酬の前払いとしてハンターの仕事をサポートしています。
アキラの実力不足により、攻略する遺跡の情報は明かされていません。
ヤナギサワはどんな人?
ヤナギサワはアキラが拠点とするクガマヤマ都市の幹部で非常に優秀です。
ヤナギサワはアルファの試行498回目※の契約者です。
※試行499回目のアキラとカツヤの前任者
ヤナギサワはアルファとの契約で最終エリアまで到達しましたが、何らかの理由でアルファと完全敵対しています。
ヤナギサワの目的は「不特定多数の人間の幸福、救済の実現とその継続」であることが分かっています。
目的達成のために暗躍する描写が多数見られます。
アルファの正体と目的について考える
カクヨム様にて連載中のWeb版リビルドワールドの296話(2023年1月執筆時点)まで読んで考えました。
アルファの正体は「クズスハラ街遺跡をその一部に含む大都市を首都とする国家の防衛に関わる管理人格」
その目的は「クズスハラ街遺跡をその一部に含む大都市を首都とする国家を守ること」
だと予想します。
そう考えた理由を下記で説明します。
アルファの正体について考える
下記の点からアルファの正体は「クズスハラ街遺跡を含む大都市を首都にする国家の防衛に関わる管理人格」だと予想します。
◆アルファはクズスハラ遺跡に関わる管理人格
アルファとアキラはクズスハラ街遺跡で出会いました。
アルファはクズスハラ遺跡に関わる管理人格のため、契約者なしではクズスハラ街遺跡を離れられないのだと思います。
また、クズスハラ街遺跡で最も高い性能を発揮するのもクズスハラ街遺跡に関わる管理人格だからだと思います。
1.クズスハラ街遺跡で契約者を探している
<根拠とする発言>
『私の姿を認識できる人を効率的に探す方法ってことよ。クズスハラ街遺跡に来る人はハンターぐらいで、その数も別にそんなに多い訳ではないわ。そこから私を認識できる人を探すのは大変なの。』
第3話 覚悟の担当「アルファ」
「どちらにしてもクズスハラ街遺跡ではない。あいつらはミハゾノ街遺跡にはいないはず。少なくとも過去の記録を確認する限りは、あいつらはクズスハラ街遺跡でしか勧誘をしていない。記録を盲信するのは悪手だが、無視もできない。」
第167話 業の帳尻合わせ「ヤナギサワ」
2.クズスハラ街遺跡以外では索敵の精度が格段に下がる
<根拠とする発言>
『私の索敵はクズスハラ街遺跡以外だと精度が格段に下がるのよ』
第13話 真面なハンター「アルファ」
◆アルファはクズスハラ街遺跡を含む大都市を首都にする国家の防衛に関わる管理人格
その理由は、
- クズスハラ街遺跡が国家の大都市の一部であること。
- 兵器やモンスターに詳しいこと。
- 契約者の情報が国の軍事関連情報に当たること。
- 他の管理人格より高い権限を持っていそう(※)
※セランタルビル管理人格のセランタルを強引に従わせているため。
1.クズスハラ街遺跡が国家の大都市の一部であること
<根拠とする発言>
「その紋章は旧世界の国家の国章だ。その国家はクズスハラ街遺跡をその一部に含む大都市を首都としていた。そしてこのカードはクズスハラ街遺跡の奥部から入手した旧世界の遺物だ。男が統企連の特殊部隊を率いて入手した貴重品だ。」
第99話 いろいろな後始末「ヤナギサワ」
2.兵器やモンスターに詳しいこと
<根拠とする発言>
「今では旧世界の遺跡と呼ばれる旧世界の工場で製造された無人兵器。その設計図や搭載されている制御装置に組み込まれているプログラムの詳細など、その手の重要な情報は、普通は秘匿されているはずだ。当時の人々であっても普通は知らないはずだ。その手の情報に精通しているのはごく限られた人間のはずだ。」
第104話 判断の根拠「アキラ」
3.契約者の情報が国の軍事関連情報に当たること
<根拠とする発言>
「では、あの管理人格達の息が掛かっている現地協力者についての情報を渡してほしい」
第291話 弱さと強さ「ヤナギサワ/オリビア」
「それは駄目です」
「それでもです。現在の世界環境に応じて我が社も柔軟な判断をしておりますが、それでも、国の軍事関連情報を社外の者へ提供することに同意した時点で、貴方あなたの成果の大半を消費していることを御理解願います」
第291話 弱さと強さ「ヤナギサワ/オリビア」
4.他の管理人格より高い権限を持っていそう
<根拠とする発言>
「来訪申請を開示させた上に、その申請を取り消せだと? お前達はいつもそうだ。一般フロア情報へのアクセス許可だけでも本来は部外秘だ。どこまでこちらの権限を踏み荒らせば気が済む!」
第131話 死体の強化服「セランタル」
強力な権限を持つ管理人格ほど強力な制約に縛られている。管理するものが広大で強力で重要なほどに、制約も多く細かく強くなる。ヤナギサワはそれをよく知っていた。
第185話 制約外のモンスター「ヤナギサワ」
『簡単に説明すると、出来るならやっているし、やった方が良いならやっている、そんなところね。あの2人組に襲われた時のことを例に挙げれば、まずアキラから許可を得ていなかったから出来なかったわ』
「言ってくれれば許可は出したと思うぞ? あのなんか、勝手にサポートして良いかってやつだろう?」
『そもそも、その許可を得る為の許可が無かったのよ。あの時の私には、それを聞く許可すらなかったの。口答で説明すると時間が全然足りないほどに長い規則の所為でね。でも、仮に許可があったとしてもやらなかったわ。戦闘中に視界が急に変わったら、アキラは間違いなく混乱して真面に動けなくなっていたわ。その弾道予測の線も、もしあの時に見えていたら、無意識に狙いをしっかり付けようとして、その分だけ悠長な動きになって、相手の反撃で殺されていたわね』
第9話 アキラとシズカ「アルファ」
次はアルファの目的について考えます。
アルファの目的について考える
アルファの目的は「クズスハラ街遺跡をその一部に含む大都市を首都とする国家を守ること」だと予想します。
その理由は、
- 緊急時は自身が所属する組織を存続させるために起動する可能性がある
- ヤナギサワが「クガマヤマ都市が壊滅する」と発言している
- アルファとヤナギサワの敵対
1.緊急時は自身が所属する組織を存続させるために起動する
旧世界の企業であるリオンズテイル社に所属する汎用人格のアリスは現代で起動後にハンターと契約して、リオンズテイル東部本店を起業しています。
アリスと同様にアルファにも緊急事態が発生し、その対処として国家の領域内にあるクガマヤマ都市を壊滅させ、結果として旧世界の国家が現代によみがえることになるのではないかと思います。
<根拠とする発言>
リオンズテイル社所属の汎用人格には大災害時の備えとして事業継続プログラムが組み込まれている。その起動時には、企業の社会奉仕と非常時での活動を建前にして、かなり自由度の高い権限が与えられる。未知の状況では柔軟な行動が可能でなければ復興作業に差し障るからだ。
この機能はアリス達にも組み込まれている。そして通信障害により本来そう簡単には途絶えないはずの自社との通信が長期間完全に途絶えたことで、アリスの機体は自社の施設群が壊滅して事業継続不能状態に陥ったと誤認すると、設定通りに事業継続プログラムを起動させた。
それにより通常より遥はるかに高い自由度を得たアリスは、自身を発掘したハンターと取引して仮の主とすると、事業継続プログラムに従って現代にリオンズテイル社を再構築する為ために動き出し、新たなリオンズテイル社を起業した。
第251話 ややこしい取引「アリス」
2.クガマヤマ都市が壊滅させられる
クズスハラ街遺跡攻略のために作られたクガマヤマ都市は「クズスハラ街遺跡をその一部に含む大都市を首都とする国家」の領域内にあると思われます。クガマヤマ都市が壊滅するのは、アルファが自国の領域内にあるクガマヤマ都市を邪魔なものと認識して排除するためだと考えます。
<根拠とする発言>
(……連中の仕業ではないはずだ。連中は自身の制約を解除できないはず。可能だとしても極めて困難で限定的なもののはずだ。飛行型を勝手に飛ばすなんてできないはずだ。それが可能なほどに制約から抜け出したのなら、仮設基地もクガマヤマ都市も既に壊滅している。……時間はまだまだ残っているはずだ)
第185話 制約外のモンスター「ヤナギサワ」
『そういえば知っている? あのクガマヤマ都市は元々このクズスハラ街遺跡を攻略する為ために作られたのよ?』
第4話 命賭けの対価「アルファ」
3.アルファとヤナギサワの敵対
下記の発言からヤナギサワはアルファの試行498回目の契約者でアルファと敵対していることが分かります。
アルファと敵対しているヤナギサワがクガマヤマ都市が壊滅すると発言していることからクガマヤマ都市を壊滅させるのはアルファであると考えます。
<根拠とする発言>
「498回目。失敗。最終エリアに到達。依頼破棄による継続不能。対象と完全敵対。処理済み。消息不明。全般的な誘導方法を再検討」
「499回目。実行中。未到達。経緯確認中。以上」
第19話 感謝と負い目「アルファ」
「ではお言葉に甘えて遠慮無く。その管理人格との約束を破った理由を聞かせてください。貴方あなたはあれらとの約束を破ったのです。私との約束を破らないとは言い切れません。是非、理由を聞きたいですね」
「不特定多数の人間の幸福、救済の実現とその継続だ。その手段の1つとして、あれを手にする必要があったからだ。付け加えれば、確かに俺は連中から遺跡の攻略を請け負ったが、その約束を破ったつもりはない。遺跡の攻略とは具体的に何を指すのか。その認識の詳細に著しい齟齬が生じていたのは認めるが、それは事前に詳しい説明をしなかった向こうの落ち度だろう。違うかな?」
第225話 統治系管理人格「ツバキ/ヤナギサワ」
おわりに
今回はリビルドワールドのアルファの正体と目的を考えてみました。
管理人の予想では、
【アルファの正体】クズスハラ街遺跡をその一部に含む大都市を首都とする国家の防衛に関わる管理人格
【アルファの目的】クズスハラ街遺跡をその一部に含む大都市を首都とする国家を守ること
だと思います。
リビルドワールドはスラム出身の力のない少年がAIの美少女のサポートを受けて、2人で一流のハンターを目指して成長するバトルアクションストーリーです。
アキラの命がけのバトルシーンは最高です。ヒロインのアルファには謎が多く、しかもアキラをだまして利用していると思われるので、今後の展開が気になって仕方ありません。
原作情報【リビルドワールド】
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